乾癬デジタルヘルスチャレンジ | 武田薬品
乾癬デジタルヘルスチャレンジ
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概要
乾癬におけるデジタルヘルス・コーポレートパートナーシッププログラム
武田薬品工業株式会社(以下「当社」)は、スタートアップの事業成長を支援するPlug and Play Japan株式会社と連携し、デジタル技術により患者さんやご家族、医療現場の乾癬に関する課題解決を支援するアイデアを企業・団体から募集します。乾癬の患者さんとそのご家族のQuality of Life(QoL)向上、そして患者さんを診療される医師の診療支援を目的とした最先端のデジタルヘルスソリューションを有する企業・団体の皆様を募集しています。
当社は消化器系疾患領域における30年以上の経験および炎症性疾患領域の専門性を拡大する戦略をもって、炎症性腸疾患、セリアック病、乾癬、進行肝疾患、神経性胃炎など、アンメットニーズに対処する治療薬を開発しています。近年、その経験と専門性を拡大し、免疫機能に異常が生じ、皮膚に炎症が起こる疾患である乾癬におけるアンメットニーズへの対処に取り組んでいます。
多くの乾癬患者さんは病気による身体的な苦痛や心理的な負担に加え、社会的にもさまざまな問題を抱えています1。当社は、乾癬と共に生活する患者さんを取り巻く環境の向上に貢献することを目指しています。
スケジュール
- 応募期間:2025年9月29日 - 2025年11月18日
- 選考期間:2025年11月 – 12月
- アクセラレータープログラム期間:2026年1月 - 2026年3月
- Demo Day(当社への最終成果発表):2026年3月
参加メリット
- 当社との共同価値検証(Proof of Value・PoV)機会の提供
- 当社からのメンタリング機会の提供
- 当社シニアマネジメントへのソリューション提案機会の提供
- 当社からのさらなる協業機会の検討
- 当社およびPlug and Play Japan※との交流・関係構築機会の提供 ※本プログラムの連携先であるスタートアップ事業成長支援企業(https://japan.plugandplaytechcenter.com/)
プログラム
プログラム内容
- 乾癬デジタルヘルスチャレンジは、以下の5テーマを課題と捉え、それらに対する解決策として、最先端の技術やサービスアイデアを募集します。 ① 乾癬診療におけるコミュニケーションの促進 ② 重症度に応じた治療選択における医療機関連携とスクリーニング検査の負担解消 ③ 乾癬患者さんの治療継続と日常生活の支援 ④ 乾癬の早期受診と早期診断 ⑤ 疾患理解の不足からくる偏見および患者さんの社会的・心理的孤立の解消
- プログラム参加企業・団体決定後、約2か月間にわたり、メンターによるサポートやPoVの実施を通じて技術やサービスアイデアをブラッシュアップします。最終ピッチイベント「Demo Day」では、当社のシニア層へアクセラレータープログラムの成果とさらなる協業への提案をプレゼンして頂きます。参加企業・団体の皆様とは、当社との長期的なパートナーシップの可能性を探索します。我々と共に医療・ヘルスケア分野に新たな価値を創造し、すべての患者さんとそのご家族に希望を届ける企業・団体を募集します。
募集テーマ詳細
① 乾癬診療におけるコミュニケーションの促進
募集の背景:
- 乾癬の診療では問診の時間が限られており、医師と患者さんの間で疾患に対する理解 に差があることや治療の目標設定が十分に共有されないことが、納得感ある治療選択や治療継続を難しくしています4,5。 乾癬性関節炎の可能性や全身性疾患、併存症に関する医師の認識不足や患者さんへの伝達不足、また、患者さん自身も医師へ困りごとを伝えられないことにより、患者さんのニーズが満たされないまま治療が進んでしまっている可能性があります4,5。
- また、治療効果の実感に時間を要することや、その評価基準・タイミングが不明確であることも、患者さんの不安や治療意欲の低下を招いています5,6。こうした背景から、SDM (Shared Decision Making)*や、QoLに配慮した治療が行われにくい状況です。
- そのため、医師と患者さんの相互理解や信頼関係の構築を支援するための情報提供手段や、患者さん自身が理解・納得しながら治療に参加できる環境づくりを可能にするような、柔軟かつ実効性あるソリューションが求められています。
* SDM(Shared Decision Making):共同意思決定、または、協働的意思決定。患者さんと医療関係者が共に医療上の意思決定を行うプロセスのこと。
② 重症度に応じた治療選択における医療機関連携とスクリーニング検査の負担解消
募集の背景:
一部の治療選択肢は、乾癬患者さんにとって大きな希望である一方、導入に際して複数の障壁が存在しています。
たとえば、結核リスク評価のための事前検査(例:胸部X線検査や血液検査)が必須となる治療選択肢では、検査機器を保有しないクリニックにおいて他の医療機関との連携が必要となる場合があります。
また、一部の治療選択肢では施設の承認状況や医師の治療方針によって、導入の可否が異なる場合があります。
このように、治療薬を必要とする患者さんが円滑にアクセスできる環境を実現するソリューションが求められています。
③ 乾癬患者さんの治療継続と日常生活の支援
募集の背景:
- 乾癬の治療は長期にわたることが多く、治療開始時だけでなく、治療選択・継続・中断のあらゆる局面で、患者さんは不安や負担を抱えています。
- 特に、疾患や選択された治療への正しい理解および経済的負担への懸念が、適切な治療を継続するうえでの課題となっています4,7。
- また、医師側も診療時間が限られており、患者さんの生活への困りごとに対して、支援を行う難しさを感じている可能性があります9。
- こうした中で、患者さんの生活に寄り添いながら治療へのモチベーションを維持し、アドヒアランスを向上させるソリューションが求められています。
④ 乾癬の早期受診と早期診断
募集の背景:
- 患者さんの疾患知識不足により、見た目やかゆみなどの初期症状を軽視してしまうことが、受診や適切な医療アクセスを遅らせる原因になっている可能性があります2。
- 一方で、医師側でも、乾癬と他の皮膚疾患(脂漏性皮膚炎や湿疹など)との鑑別が難しい場合があり、適切な診断が遅れたり、誤診につながったりすることも少なくありません3。
- 結果として、患者さんが適切な治療を開始するまでに時間を要している場合があるため 、このような初動の遅れや診断精度の課題を解決するソリューションが求められています。
⑤ 疾患理解の不足からくる偏見および患者さんの社会的・心理的孤立の解消
募集の背景:
乾癬は目に見える症状があり、その見た目から社会生活の中で偏見や誤解を受けやすい疾患であるとされています4,8,9。
患者さんは、職場・学校・家庭といった日常的な場面で「不衛生な病気」「うつる病気」といった偏見や誤解にさらされ、必要以上に自身の症状を隠す傾向があります。その結果、「誰にも共感・理解してもらえない」「同じ疾患の仲間がいない」という孤独感や心理的ストレスが強まり、QoLや精神面に深刻な影響を与えていると考えられます4,8,9。
こうした社会的・心理的孤立を解消し、世の中に疾患の正しい理解を広げることに加えて、共感を軸とした体験や支援など、患者さんが安心して社会とつながれる仕組みをつくるソリューションが求められています。
応募要件
- 本プログラムのテーマに関連するアイデア、プロトタイプ、または製品を有し、日本国内でのPoC(Proof of Concept)が実施可能な法人であること
- 日本語もしくは英語でのコミュニケーションが可能であること
参加メリット
本プログラムに参加する企業・団体には、以下のメリットを提供します。
- 当社との共同PoV(Proof of Value)機会の提供:当社が参加企業・団体との共同PoV実施をサポートします。
- 当社からのメンタリング機会の提供:当社のエキスパートによるメンタリングを提供します。
- 当社へのピッチ機会の提供:当社シニアマネジメントへのソリューション提案機会を提供します。
- 当社とのさらなる協業機会の検討:共同PoVの結果を踏まえ、長期的なパートナーシップ(協業、ライセンス契約、製造契約等)の可能性を検討する場合がありますが、協業を保証するものではありません。
- 当社およびPlug and Playとの交流・関係構築機会の提供:ヘルスケアエキスパートによるネットワーキングイベントやワークショップが提供されます。
応募
下記のオンライン・ポータルより必要事項を記入し、貴社資料をご提出ください。
- 応募フォーム:https://www.takeda.com/jp/science/open-innovation/digital-health-challenge-pso/form/
- 応募締切:2025年11月18日(火) 23:59 JST
なお、以下の日程で本プログラムの説明会を開催します。当社からプログラムに対する想いや応募を検討いただいている方々への期待、今回募集のテーマに関して担当者がお話し致します。事前申し込み制となりますので、応募をご検討いただいている企業・団体の皆様は是非お申込みの上ご参加ください。
- 説明会日時:2025年10月24日(金)13:15-14:15 JST
説明会は終了いたしました。ご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
- 場所:武田薬品東京本社およびオンラインにて開催
- 説明会参加申込締切:2025年10月21日(火)15:00 JST(オンライン参加申込締切は2025年10月23日(水)23:59 JST)
注意事項
- エントリーの際には、機密情報を提出しないようにしてください。
- 知的財産を保護するために、プログラム参加企業・団体と当社の間で参加合意書を締結します。また、秘密情報を保護するために、プログラム参加企業・団体、当社及びPlug and Play Japanの3者間で秘密保持契約を締結します。
- 本プログラムは、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝または広告するものではなく、また、投資勧誘を目的としたものではありません。
Q. プログラムにはどれくらいの時間が必要ですか? A. プログラム期間は約2ヶ月間です。プログラムに関連してセミナーやイベント等を実施する場合は、約2 ヶ月間のプログラム期間中とし、それ以外は、各企業・団体と当社の間で相互に合意した目標に基づき推進します。
Q. プログラム参加対象として何社が選ばれますか? A. 3社程度を予定しています。
Q. 選定された企業への出資は保証されていますか? A. 必ずしも出資が行われるわけではありませんが、Demo Dayのピッチの内容に応じて投資を検討する場合があります。
Q. プログラムはオンライン・オフラインどちらで実施されますか? A. 基本はオンラインで開催されますが、一部オフラインのイベントも予定しております。
Q. どのような技術レベルのソリューションが対象ですか? A. 技術レベルには特に制限を設けておらず、早期段階の技術でも応募可能です。
- Siva Narayanan, Victoria Guyatt, Alessandra Franceschetti, Emily LHautamaki: Disease burden and patient reported outcomes among patients with moderate to severe psoriasis: an ethnography study: Psoriasis: Targets and Therapy (2014)
- Azura Mohd Affandi, K. Thiruchelvam. Patient perspective on psoriasis: Psychosocial burden of psoriasis and its management in Malaysia, PLOS ONE, 2024
- Suzanne Murray, Jeffrey Crowley, Melinda J. Gooderham, et al. Healthcare Providers Face Numerous Challenges in Treating Patients with Psoriasis: Results from a Mixed-Methods Study. Journal of Psoriasis and Psoriatic Arthritis, 2022, vol.7(1) 25-43
- 乾癬患者連合会「世界乾癬レポート2016」;2025年9月1日アクセスhttps://iris.who.int/bitstream/handle/10665/204417/9789241565189-jpn.pdf
- Parker J Magin, Jon Adams, Gaynor S Heading and C Dimity Pond. Patients with skin disease and their relationships with their doctors: a qualitative study of patients with acne, psoriasis and eczema. The Medical Journal of Australia, 2009; (2): 62-64
- Katherine K. Brown, Wingfield E. Rehmus. Determining the relative importance of patient motivations for nonadherence to topical corticosteroid therapy in psoriasis. Journal of American Academic Dermatology. 2006
- Tina Bhutani, Jillian W. Wong. Access to Health Care in Patients With Psoriasis and Psoriatic Arthritis. JAMA Dermatol Published Online; 2023;149 (6): 717-721
- 日本乾癬患者連合会 「働く乾癬患者さんのためのガイド」;2025年9月1日アクセスhttp://www.jpa1029.com/archives/hataraku2024.pdf
- IFPA「Inside Psoriatic Disease FAMILY」;2025年9月1日アクセス。http://jpa1029.com/files/Inside-Psoriatic-Disease-Family-Report_JPN2.pdf
武田薬品工業ついて
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
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