Takeda logo

コンビニとともにIBD患者さんの「食事」に関する悩みに寄り添う | 武田薬品

コンビニアレンジレシピとIBDreamお菓子図鑑

タケダがコンビニや製菓会社と組む理由ってナンダ?

コンビニとともにIBD患者さんの「食事」に関する悩みに寄り添う

日本国内に約29万人の患者さんがいるとされるIBD(炎症性腸疾患)1) 。これは、潰瘍性大腸炎、クローン病という国から難病指定を受けている2つの疾患の総称です2)3)。 IBDは腸管が炎症を起こしている疾患であり、主な症状は慢性的な下痢や腹痛です。特に、食事の内容によって症状の悪化が懸念されるため、食事やトイレといった日常生活の身近なところで、大きな不安と課題を抱えている患者さんも少なくありません。腸の疾患ゆえ、症状が見た目にはわかりづらく、周囲の理解が得られずに苦しんでいる方もいます4)。 タケダでは、IBD患者さんに寄り添いながら、さまざまな形で日常の課題解決をサポートしています。今回は、そんな取り組みのなかからタケダと異業種企業とのコラボレーションをご紹介します。

IBD患者さんの「いま食べたい!」を叶えるIBDream®めし コンビニアレンジレシピ


洋風トマトぶっかけ

悩み:脂質、香辛料、食物繊維に注意、食べたくても食べられないものが多くて5)…。揚げものが食べたくてもガマン。

個人差はありますが、食事によって症状が大きく左右されるIBD患者さんには、普段の食生活で気をつけなければならないことや避けるべき食品があります。 「食べたいけれどもガマンしている」食べ物も多く、その代表的なものとして「脂質」「香辛料」「食物繊維」の3つが挙げられます。 とりわけ、外食においては脂質を控えることが難しく、食事のあとに体調を崩す方もいます6)。 また、手軽な食べ物の入手先として誰もが利用するコンビニでも、気を抜くことができません。 IBD患者さんは、自分の体調と相談しながら、揚げ物を避け、カレーをあきらめ、おにぎりは海苔がないものを選ぶ7)……など、なんとか工夫して乗り切っているのです。

脂質、香辛料、食物繊維に注意、食べたくても食べられないものが多くて…。揚げものが食べたくてもガマン。

取り組み:ローソンの商品を使った、IBD患者さんのための簡単&時短アレンジレシピを公募

そこでタケダは、コンビニ大手チェーン・株式会社ローソン(以下ローソン)とのコラボを企画。IBD患者さんの身体に負担をかけず、なおかつローソンで手軽に手に入れることのできる商品を使った簡単・時短アレンジレシピを募集し、ローソンの公式X(旧Twitter)上で投票を実施。グランプリ1点を含む入賞5点のレシピを決定、Web上で公開しました。

洋風トマトぶっかけ
グランプリに選ばれた「洋風トマトぶっかけ」をはじめ、いずれも簡単に作ることができて、かつ美味しく、IBD患者さんが「食べたい!」と思えるようなものです。

・ローソンオリジナル商品です。
店舗、地域によりお取扱いのない場合がございます。地域により予告なく販売終了になる場合がございます。 商品は2024年9月時点での展開パッケージ(デザイン)です。

「IBDを知ってほしい」 その想いが、2つの企業を繋いだ タケダ×ローソン意外なコラボのきっかけとは?


金生 竜明氏と合田 早紀氏

ご担当者へのインタビュー

武田薬品工業  ジャパンコミュニケーションズ 疾患領域コミュニケーション ヘッド 金生 竜明

金生 竜明

武田薬品工業
ジャパンコミュニケーションズ
疾患領域コミュニケーション ヘッド

ローソン  SDGs推進室 アシスタントマネジャー  合田 早紀

合田 早紀

ローソン
SDGs推進室
アシスタントマネージャー

Q. ローソンとのコラボレーションに至った経緯を教えてください。

【金生さん】 タケダでは、IBD患者さんの生活に寄り添う「IBDreamプロジェクト」を2019年度から実施しています。 その中で、IBD患者さんの代表的な「困りごと」である食事制限にアプローチするため、「普段料理をしない人」にも役立つ情報を提供できないか、と考えていました。

そんなとき、偶然ネットでローソンさんの「アートトイレ」*1を知りました。

IBD患者さんにとってもトイレの課題があることから、こんな取り組みをしている企業なら一緒に何かできるのでは、と考えてアクションを起こしました。 過去にコネクションがなかったので、普通にローソンさんの「大代表」から問い合わせを入れて、結果、つながったのが合田さんでした。

そして、同じくIBDreamプロジェクトに携わったチームメンバーの金子賀津久とともに、お話をする機会を設けていただいたのが始まりです。

*1 ローソンは、1997年にコンビニエンスストアチェーンとして初めてトイレを開放。2022年からトイレの清掃を行う店員やきれいに使ってくれる来客への感謝を込め、「ありがとう」「感謝」をテーマにした“アートトイレ”を店舗限定で実施。2023年からはデザインの公募を行っています。

Q. タケダからの提案に対して、コラボ実施を決断した理由を教えてください。

【合田さん】 最初は驚きました。あの製薬会社のタケダさんから連絡が!と。私はIBDについて全く知らない状態からスタートしたのですが、金生さんや金子さんから初めてお話を伺った際「ここにいるローソン社員3名の皆さんにIBDのことを知ってもらえたのがうれしい」と言われたのが印象的でしたね。

おふたりの、ローソンと一緒に何かできなかったとしても、IBDを認知してくれる機会になればそれでいい、という強い思いを受けて、私たちも何かできないかと考えるきっかけになりました。

結果として、IBD患者さんたちのお役に立てることは、当社のグループ理念である「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」にも合致しますし、何かできることを検討しましょう、と意気投合しました。

最初のミーティングから3カ月後には、「世界IBDデー」*2の告知を店舗のレジ画面に掲出するという取り組みを実現できました。

翌年となる2024年には、IBDreamめしの「コンビニ編」レシピでコラボさせていただくことになりました。というのも、IBD患者さんの食事についてSNSで検索を行い、ミーティングを重ねるなかで、患者さんもコンビニを意外と利用されていることがわかったのです。

それなら、きちんと監修を受けた「お墨付きレシピ」を発信することでお役に立てるのではないかと考えました。

*2 毎年5月19日、世界では「World IBD Day」日本では「世界IBDデー(IBDを理解する日)」として制定されており、この日に合わせてIBDへの理解を求める各種イベント、PR活動などが行われています。
ローソン  SDGs推進室 アシスタントマネジャー  合田 早紀

コラボレーションにあたって大切にしていたことは?


Q. 異業種同士でコラボレーションするにあたり、大切にしていたことはありますか?

【金生さん】 大切にしていたのは、IBDのことを一人でも多く知ってもらいたい、という思いです。

色々な方とお話しして、さらに多くの人に知ってもらえた、嬉しい、という気持ちが原点にあり、今回結果として、合田さんとの良い出会いがあってコラボにまで繋がったということですね。

【合田さん】 私たちも、IBDのことを知ろうと心がけ、金生さん同様にさらに一人でも多くの方に知っていただこうとしたことですね。社内でもIBDについての勉強会を開催して金生さんにお越しいただきました。

私自身、このプロジェクトに携わったことで、見えないものが見えるようになった気がするというか、ここにもIBD患者さんがいらっしゃるかもしれない、他の疾患や困りごとをもった人がいらっしゃるかもしれない、と考えるようになりました。

もう一点、コラボ実施にあたっては店舗側のオペレーションが大きく変わらないよう検討を行いました。コンビニ店頭ではその他にも対応すべき事項がたくさんあるからです。

加えて、すでにある両社が持っているコネクションや媒体などのリソースをうまく活用し、お互いに無理の無いように取り組んだことで、実現できたと考えています。

タケダ×ローソン コラボの成果や反響は?


Q. 今回のコラボの「成果」について教えてください。

【金生さん】 まずは、合田さんというIBDの「アンバサダー」を社外にもてたことが一番です。

IBD患者さんにとって身近な場所、モノへのアプローチができたのはもちろん、広く一般の方にIBDのことを知っていただくうえで、これまでタケダが作ることができなかったきっかけ、タッチポイントを作れた点は大きな成果といえます。

店舗で行った世界IBDデーのPOSレジディスプレイ画面での周知は、2023年5月16日から4日間、約14,000店舗の全国のローソンにて実施されました。

もうひとつ、私たちも患者さんのことを100%わかっているわけではなかったなと気づかされたことがあります。

それは、入選メニューにあった「シンガポールラクサ風」とか「なんちゃってロールケーキ」のように、いわゆる流行りものがよく見られたこと。 当然なのですが、食に制約のあるIBD患者さんも、やはり「流行のもの」は食べたいのですよね。

成分的に○か×かというだけではなく、気分が上がる、食べたくなるレシピを紹介することに意義があったと思います。

武田薬品工業  ジャパンコミュニケーションズ 疾患領域コミュニケーション ヘッド 金生 竜明

Q. 今回のIBDに関するコラボについて、ローソン側ではどんな反響がありましたか?

【合田さん】 IBDreamめしのメニュー人気投票では、5,000人以上の方が投票してくれるなどSNSでの反響が大きかったことが印象的でした。

特に、患者さんご自身からのコメントをたくさんいただけたことが嬉しかったですね。

「これは美味しそう」とか「これなら自分でもできそう」とか。 1人でも多くの患者さんに届いてくれれば、と思っていましたが、こういう形でローソンもお役に立てるんだということ、そして多くの方にこの疾患のことを知っていただけるという、何重にも社会的意義のあるコラボだったと思います。

個人的にも、とてもやりがいを感じるプロジェクトでした。

さらなる展開へ向け今後の展望を語る両社


Q. 今回の取り組みを通じてみえた「可能性」、そして今後の展望を教えてください。

【金生さん】 他業種の方とも、思いをひとつにしてコラボできることがわかりました。

私たちは、今後もIBDをはじめさまざまな難病と生きる患者さん、そのご家族や周囲の方々に寄り添いながら、患者さんが困っていることや直面している課題をもっと広く知ってもらうためにはどうすべきか、考えていきます。 その一手段として、ローソンさんはじめ、異業種コラボにも注力していきたいですね。

【合田さん】 私たちも、当社だけでは実現できないことに挑戦できた良い機会だったと思います。 今後とも、ローソンのグループ理念を体現できるコラボのひとつとして、継続して取り組むことができればと考えています。 私たちコンビニエンスストアは、毎日多様な方がご利用になる「みんな」のための場所。 その基本があった上で、実はこういった患者さんのためにもお役に立てる可能性があるということを発信できたらと考えています。

対談する武田とローソンの担当者
・ローソンオリジナル商品です。 店舗、地域によりお取扱いのない場合がございます。地域により予告なく販売終了になる場合がございます。 商品は2024年9月時点での展開パッケージ(デザイン)です。
※所属は制作当時のものです

出典、参考文献


1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究 総括研究報告書(平成28年度) https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/25944Go to https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/25944 2)タケダ「IBD患者さんがより暮らしやすい社会の実現を目指した取り組みについて」(2023年1月) https://www.takeda.com/ja-jp/announcements/2023/initiatives-creating-society-for-ibd-patients/ 3)タケダ「炎症性腸疾患とは | IBDステーション: 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の情報サイトIBDステーション」 https://www.ibdstation.jp/aboutibd/ 4)みんなの潰瘍性大腸炎ひろば https://ibd-hiroba.jp/uc/community/000204.htmlGo to https://ibd-hiroba.jp/uc/community/000204.html 5)タケダ「IBDステーション:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の情報サイト」 https://www.ibdstation.jp/ 6)見た目だけではわからない。とある「腸の難病」の人が抱える5つの悩み(2020年5月) https://www.buzzfeed.com/jp/takedaibd/ibdGo to https://www.buzzfeed.com/jp/takedaibd/ibd 7)株式会社ローソン「炎症性腸疾患(IBD)患者さんの「いま食べたい!」を叶える、簡単・時短コンビニアレンジレシピ大募集!」(2024年5月) https://www.lawson.co.jp/company/activity/topics/detail_jin/1486467_9112.htmlGo to https://www.lawson.co.jp/company/activity/topics/detail_jin/1486467_9112.html