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めぐり、向き合う、世界の医療課題 | 武田薬品

世界の医療課題のイラスト

いま解決すべき世界の医療課題ってナンダ?

めぐり、向き合う、世界の医療課題

世界では約20億もの人が十分な医療を受けられていないという事実。 どんなに革新的な医薬品やワクチンを作っても、患者さんに届けるための取り組みを行わなければ意味がありません。 このコンテンツでは、4つの切り口から世界の医療課題を知り、タケダがどのように尽くしているのかご紹介します。

01:医療制度・環境から知る


02:国・地域から知る


03:疾患から知る


04:数字から知る



必要な医薬品を必要な時に受け取れない現実

世界中のすべての人々が、生まれた国や生活環境・社会的立場などにかかわらず健康に過ごすことができるのが理想です。ところが、現状では必要とする医薬品を手に入れられない人が約20億人もおり(※1)、さらに、世界の人口の半数以上は基本的な医療サービスを受けることができていません(※2)。

特に低中所得国では、医療体制の整備が発展途上にあり、病気による経済的負担が重くのしかかっている人々が多くいます。そうした国の患者さんは、早期の診断や治療を受けることが難しい状況に置かれています。

患者さんに必要な医薬品を届けるには、持続可能な医療体制を築き、次世代に受け継ぐことが求められています。そのために、官民や地域などの枠組を超えて、社会全体で早急に医療体制を整備していく必要があるのです。

世界のすべての人々が公平に医療を受けられる環境をつくるために――。タケダは途上国や新興国において、現地の政府や保健医療当局、地元のボランティア、NGO、業界のパートナー、患者さんなどと連携しています。

それぞれが手を組みながら、医療従事者へのトレーニングや、疾患の啓発活動などに尽くしています。

※1:出典...世界保健機関(WHO)「公衆衛生における10年 2007-2017」
※2:出典...United Nations, Half the world lacks access to essential health services ‒ UN-backed report, (2017)
現地の政府や保健医療当局、地元のボランティア、NGO、業界のパートナー、患者さんなどと手を組み連携しているイラスト

保険制度の整備が遅れ、患者さんの生活を左右

世界を見渡すと、国や地域によってはいまだ医療提供体制が十分に整っていないだけでなく、公的な健康保険制度や民間の健康保険の整備の遅れも目立ちます。そのため、患者さんは自費での医療費の支払いによる負担が大きくなり、医薬品に手が届かない状況に置かれています。

低中所得国において患者さんが質の高い医療へアクセスできない原因には、紛争や気候変動、自然災害、教育環境など多岐にわたる問題があり、ときには複雑に絡み合っています。

したがって、優先的に取り組まなければならない医療課題や疾患などはさまざまで、国や地域の実情に応じたきめ細かい支援が求められています。

患者さん第一の姿勢を貫くタケダにできること――。たとえば、その国の所得水準等の要素に応じて医薬品の価格を調整して供給。

また、経済的に余裕のない患者さんが治療を継続できたり、革新的な治療薬を入手できるようにする PAP(患者支援プログラム)(※3)などにも取り組んでいます。

※3:PAP(患者支援プログラム)...Patient Assistance Programの略。革新的かつ協働的な資金調達モデルを通じて、より多くの患者さんに医薬品をお届けし、最大限の治療効果を実現するためのタケダの取組み。
PAP(患者支援プログラム)のイラスト

低所得国で求められる価値に基づく医療モデルの推進

世界中の50億人もの人々が、乳がんをはじめとする多くの非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCD)(※4)の治療に欠かせない外科治療を受けることができずにいます(※5)。治療へのアクセスを向上するために、従来のサービス提供に応じた報酬を支払うスタイルから、医療従事者が提供したサービスの質に基づいて報酬を受け取る仕組みである「価値に基づく医療(Value-Based Healthcare:VBHC)」を推進することが求められています。

タケダは国連訓練調査研究所(UNITAR)と連携し、ルワンダやトルコ、南アフリカで、非感染性疾患において低所得者層の人々が質の高い医療を受けられるようにするため、ステークホルダーが集まるプラットフォームの整備等を支援。それによって、ステークホルダーが政策形成などの協議を促進できるように努めています。

それぞれの国で政府や専門家団体、産業界、患者さんなどとの協力体制を築き上げて医療体制の課題に取り組み、「価値に基づく医療」の展開をしていくことで、患者さんの健康状態の改善に貢献しています。

※4:非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCD)...循環器疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患など感染性ではない疾患の総称。
※5:出典...The Global Surgery Foundation: Official Launch of the New VBHC Hub
それぞれの国で築き上げる、政府や専門家団体、産業界、患者さんなどとの協力体制のイラスト

医療インフラの整備が遅れ、重症化が加速するケニア

社会インフラの整備がなかなか進まず、資金不足で病院や医師・看護師などの医療従事者が慢性的に不足しているケニア。東部のメル県では、糖尿病や高血圧、がんなどの病気を持つ患者さんは、医療提供体制面の格差により、こうした病気への社会全体の認識が薄いことも影響して、早期発見がかなわず、多くの方が重症化してから診断されているのが現状です。

その結果、病気が進行して働けなくなり、継続的な治療に伴う経済的負担の増加が生じ、患者さんやその家族は著しい影響を受けています。さらに、流通網が十分に張り巡らされていないため、貨物の取扱いに不備が起こりやすく、患者さんのもとに医薬品が届くまでには長い時間がかかっています。

医療提供体制を整備し、強化するために――。タケダは政府や地域の自治体・医療機関・患者団体などと密接に協力し、医療従事者に対して、非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCD)(※6)の予防や発見、治療、緩和ケアのためのトレーニングなどを実施。NCDへの理解を高める啓発活動を展開した相乗効果もあり、地域の多くの人たちが、がん検診などの検査や、適切な診断・治療・ケアを受けられる機会が増えています。

また、医薬品を迅速に患者さんへ届けるための流通網の改善や、医療従事者や関係するスタッフを対象にした医薬品管理の講習会を開催するなど、地域の医療水準を向上するために尽力。このような取り組みをケニアだけでなく、ほかのアフリカ諸国へも広げています。

※6:非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCD)...循環器疾患、がん、糖尿病、慢性呼吸器疾患など感染性ではない疾患の総称。
診察しているイラスト

約15人に1人が希少疾患を発症する南アフリカ

南アフリカでは、国民の約15人に1人が希少疾患を抱えています(※7)。たとえば、南アフリカで患者さんが多い疾患の一つに遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)(※8)がありますが、他の国と比べて診断率が低いのが現状です(※7)。

その理由として、現地の科学技術の専門的な知識が十分でないことや、希少疾患が社会で正しく認識されていないことが挙げられます。また、医療へのアクセスは地域によって差があるため、病院を受診できずにいる患者さんも多くいます。

患者さんが、安心して適切な医療を受けられるようにするには――。タケダは、医療提供体制を総合的に強化できるよう支援に力を入れています。その取り組みの一つとして、現地の関係者と対話を深め、ニーズに応じた解決策を講じています。

たとえば、南アフリカ国内における専門家や医療従事者、患者団体、患者さんが連携できるようにするためのネットワークを構築。また、希少疾患の早期発見・早期治療や、偏見をなくすための啓発活動の一環として、サポート窓口を設けたデジタルプラットフォームの開設にも取り組んでいます。

※7:出典...タケダ「医薬品アクセスプログレスレポート2022」 https://assets-dam.takeda.com/raw/upload/v1675251172/legacy-dotcom/siteassets/jp/home/what-we-do/access-to-medicines/takeda_atm-progress-report-2022_jp.pdf
※8:遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)...お腹(消化管)や顔、足、性器、手、喉など、体のさまざまな部位の皮膚や粘膜に繰り返し腫れやむくみが起こる希少な遺伝性疾患。
医療関係者のネットワークのイラスト

デング熱が社会問題に。首都に人口集中のタイ

首都バンコクへの人口の一極集中が長く続くタイ。高層ビルなど人が集まる場所が多く、感染症のなかにはひとたび発生すると、たちまち流行してしまうものもあります。タイで長年にわたって大きな社会問題となっている感染症がデング熱(※9)で、地球温暖化による気候変動も影響して、今後感染リスクがさらに高まることが懸念されています。

デング熱のウイルスを保有する蚊は自然豊かな場所に限らず、都市部の環境にも適応して生息しています。雨水などがたまったバケツや空き容器なども蚊の発生源となるため、人口密度の高いバンコクではデング熱の感染が拡大しやすくなっています。

深刻な医療課題の解決を目指して――。タケダは他業種の現地日系企業と共同で、タイにおけるデング熱対策支援強化のための覚書を締結(※10)。

これによって、バンコク都庁と連携を図り、デング熱の発生を抑制したり、予防するための活動を長期的に実施していく体制を構築しています。その活動の一つとして現地の学校でデング熱に対する教育活動を展開しています。また、デング熱による影響や感染拡大を減らすための啓発イベントなどにも取り組んでいます。

※9:デング熱...デングウイルスを持った蚊に刺されることによって起こる感染症。
※10:出典...タケダ 国内向けニュースリリース「花王と武田薬品によるデング熱感染症対策支援強化のための覚書締結について」 https://www.takeda.com/ja-jp/announcements/2022/kao-and-takeda-join-forces-to-fortify-private-sector-support
研究しているイラスト

地域格差に悩む、7,000以上の島を持つフィリピン

フィリピンは広い国土を有し、かつ、7,000以上の島々から成る国。ところが、医師は首都マニラに集中しており、地域の医療機関との格差を抱えています。たとえば、ホジキンリンパ腫(※11)のような専門の検査を必要とし、正しい診断までに複数回の診療を踏むことが多い疾患では、島々で構成されるフィリピンの地理的な特性により、適切な専門医に出会うまでに時間を要するため、さらなる治療の遅れにつながっています。

また、経済格差も問題です。フィリピンでは通常外来診療は自費で、外来での医薬品も国の保険制度の対象外となり、経済的理由で医薬品を購入できないといったケースも起こっています。

適切な治療を受けられるようにするためには―――。タケダは、PAP(患者支援プログラム)(※12)を通じて、患者さん一人一人の経済状態と現地の医療制度を踏まえながら、個々のニーズに応じた治療費の負担をしています。

この支援は、現地パートナーとの連携で成り立っています。2017年以降、300 人を超えるフィリピンの患者さんが、PAPによってホジキンリンパ腫の治療を最後まで受けることができました。また、発症から検査・診断、治療、その後の生活に至るまで包括的なケアを長期的に提供すべく、コミュニティの体制整備を行うなど、さまざまな方面で医療課題解決に向けて尽くしています。

※11:ホジキンリンパ腫...悪性リンパ腫(白血球の中のリンパ球ががん化することによって起こる血液のがん)の一種。首のリンパ節などに腫れや圧迫感が起こるほか、倦怠感や高熱、食欲不振、体重減少などを伴うこともある。
※12:PAP(患者支援プログラム)...Patient Assistance Programの略。革新的かつ協働的な資金調達モデルを通じて、より多くの患者さんに医薬品をお届けし、最大限の治療効果を実現するためのタケダの取組み。
PAPを受けるフィリピンの患者さんのイラスト

世界で依然として重要ながん啓発

かつて “不治の病”と捉えられていたがん。いまや治療できる病気として、世界中で新たな治療法やがん治療薬の登場が待たれています。ところが、世界には基本的ながん治療薬でさえも、患者さんへ行き届かない国がまだまだたくさんあります。

そうした国では、がんに対する啓発が行き届かず、がんの診断や治療、ケアが軽視されてしまっています。

がんへの認識や理解がまだまだ低い国で、患者さんが適切な治療を受けられるようにするために――。タケダは、世界的に活動しているNPOと提携。現地の保健当局の協力を得て、専門医が診断技術を身につけ、さらに向上できるよう、教育活動の支援に力を注いでいます。

また、早期発見できるように、がん検診を実施できる医師を増やすためのサポートも展開。病気に対する啓発活動を行い、がん患者さんが必要な治療薬を入手できるようにサプライチェーンの改善につながる施策にも取り組んでいます。

医師が何かに気づいたイラスト

未診断の患者さんが多い遺伝性血管性浮腫(HAE)

適切な治療方法や有効な治療薬が少ない希少疾患の一つ、遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE) (※13) 。患者数は人種を問わず、人口の5万人に1人の割合でいると言われている(※14)ものの、日本を含め、認知度はまだまだ低いのが現状です。

さらにその症状や病態などが複雑なことから、HAEと正しく診断され、適切な治療が開始されるまでに長い期間がかかる患者さんが多くいます。特に医師・看護師などの医療従事者が少ないうえ、医療体制が十分に整っておらず、HAEへの認知度が著しく低い国では、多くの患者さんが未診断の状態から抜け出せずにいます。

HAEの患者さんを適切な治療へと導くために――。タケダは現地の学会などと連携し、HAEの専門医の診断・治療の技術向上のためのセミナーや、シンポジウムの開催、ウェブサイトの開設に取り組んでいます。

また、患者さんが適切な診断と継続的な治療が受けられるようにするための資金援助などを実施。さらに、HAEの認知度を向上するためのデジタルプラットフォームを立ち上げ、サポートのための窓口を設置しています。

※13:遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema:HAE)...お腹(消化管)や顔、足、性器、手、喉など、体のさまざまな部位の皮膚や粘膜に繰り返し腫れやむくみが起こる遺伝性疾患。
※14:出典...タケダ「腫れ・腹痛ナビ ー遺伝性血管性浮腫(HAE)の情報サイトー」https://www.harefukutsuu-hae.jp/aboutHAE/
HAEに関するデジタルプラットフォームで繋がる関係者のイラスト

全世界で39億人が感染リスクに直面するデング熱

世界保健機関(WHO)が2019年に発表した「世界が直面している健康・医療分野の10の脅威」の一つに取り上げられているデング熱(※15)。近年では、128か国で推定39億人がデング熱への感染リスクがあることが指摘されています(※16)。東南アジア諸国も長年にわたりデング熱に悩まされている地域の一つです。ウイルスを保有する蚊は、都市部の生息環境に適応して排水溝やバケツ、空き缶などの人工的な水たまりでも繁殖します。そのため、人口密度の高い地域、たとえば東南アジアの都市部でデング熱の感染が広がりやすくなっているのです。

デング熱の脅威から世界の人々を守るために――。タケダはデング熱の感染が特に深刻なバンコクで、他業種の現地日系企業と共同で、タイにおけるデング熱対策支援強化のための覚書を締結(※17)し、バンコク都庁と連携して現地の学校での教育活動など、デング熱の抑制や感染予防のための活動に取り組んでいます。包括的なアプローチにより、こうした活動が成果を上げていることから、今後タイ全域で活動を広げていくことを目指しています。タケダは、企業、官民、国の枠を超え、世界に尽くしています。

※15:デング熱...デングウイルスを持った蚊に刺されることによって起こる感染症。
※16:出典...厚生労働省検疫所「デング熱と重症型のデング熱について」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/20190605.htmlGo to https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/20190605.html
※17:出典...タケダ 国内向けニュースリリース「花王と武田薬品によるデング熱感染症対策支援強化のための覚書締結について」https://www.takeda.com/ja-jp/announcements/2022/kao-and-takeda-join-forces-to-fortify-private-sector-support
教育活動のイラスト

血液のがんホジキンリンパ腫

悪性リンパ腫(※18)の一種であるホジキンリンパ腫(※19)。欧米ではすべての悪性リンパ腫のうちの約30%(※20)を占めますが、日本やアジア圏ではそれほど多くはないとされています。

専門医や高度な医療機関での受診による早期発見・早期治療が必要な疾患ですが、さまざまな地域が抱える課題も重なり、発見が遅れてしまうといったことが起こっています。経済的かつ地域的理由によって、適切な検査を受けられず、なかなか治療を受けられない患者さんも少なくないのです。

住んでいる国や地域、経済的な理由が治療の遅れにつながらないように――。タケダは、必要とする患者さんがホジキンリンパ腫の発見に役立つ検査(※21)を受けられるようにすることや、必要な治療を最後まで途切れることなく実施できるようにするためのサポートや資金援助を行っています。

さらに、ホジキンリンパ腫の診断・治療に携わる医療従事者の技術力向上のための勉強会を開催するなどの活動にも力を注いでいます。また、患者さんや医療従事者向けにトレーニングデジタルプラットフォームを提供し疾患啓発を行うなど、さまざまな方面で医療課題解決に向けて尽くしています。

※18:悪性リンパ腫…白血球の中のリンパ球ががん化することによって起こる疾患。がん細胞の形態や性質によって細かくは100種類近くのタイプがあるが、大きくは「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分けられる。
※19:ホジキンリンパ腫…悪性リンパ腫の一種。首のリンパ節などに腫れや圧迫感が起こるほか、倦怠感や高熱、食欲不振、体重減少などを伴うこともある。
※20:出典...一般社団法人 日本血液学会(編)『造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版 補訂版』(金原出版)
※21:検査…CD30検査。悪性リンパ腫の診断補助を目的とした検査でリンパ球のがんである悪性リンパ腫の種類の1つホジキンリンパ腫の発見に必要。
必要な医療サポートを受けることが出来る患者のイラスト

世界48カ国で医薬品アクセスの向上に尽くす

世界ではおよそ20 億人が、必要とする医薬品を入手できていません(※22)。なかでも深刻な影響を受けているのが、医療提供体制が十分に整っていない低中所得国の患者さんです。

誰もが医療サービスを受けられ、必要とする医薬品を必要なときに入手できるようにするためにーー。タケダは、低中所得国で政府や保健医療当局、NGO、民間企業、医療従事者、地域のボランティア、患者さんなど多様なステークホルダーとの協力体制を構築。そして、地域の医療体制を強化し、かつ、それが持続できるようにするための支援を行っています。また、医療従事者が技術を習得するためのトレーニング活動や、必要な医療機器の確保などを進め、医療水準の向上に努めています。

さらに検診の実施や、疾患に対する啓発活動にも取り組んでいます。そのほかにも、国の所得水準等の要素に応じて医薬品の段階的な価格設定のモデルを採用しています。

タケダはこれまでに48の低中所得国において医薬品アクセスの向上を推進。医薬品を創るだけでなく、病気を抱えている患者さんの診断、治療、その後のケアに至るまで、医薬品やワクチンへの患者さんのアクセスを阻む障壁を取り除くため積極的に取り組んでいます。

※22:出典...世界保健機関(WHO)「公衆衛生における10年 2007-2017」
世界48カ国で医薬品アクセスの向上に尽くす

2,000人以上の医療従事者へ母子を守る啓発活動を展開

母と子の心身の健康を守るには、妊娠・出産期、産褥期、乳幼児期を通して母子への継続的なケアが重要です。ところが、世界では安全な出産をサポートする医療機関や医療従事者が不足しているため、妊娠・出産の過程で母子が命の危険にさらされる国や地域があります。 また、衛生環境が整っていなかったり、栄養不足に陥ったり、必要な予防接種が行き届かないなどの理由で、幼くして命を落とす子どもたちがいます。

予防できる母子の死を減らすためにーー。タケダは国際的なNGOと協力してネパールやバングラデシュ、インド、アフガニスタンの農村部を中心に、保健医療施設の建設や改修を支援し、安全に出産できる環境の整備を進めています。 また、現地の医療従事者やコミュニティヘルスワーカー(※23)を対象に、母子への適切なケアのための教育活動を支援しています。さらに、母親を対象に安全な妊娠・出産のための基本的な知識や定期健診の重要性などについての啓発活動を展開。これまでに2,000人以上の医療従事者を対象に教育活動を実施し、子どもを含む50万人近くの人々に啓発やケアを行ってきました。 世界中の母と子が健やかな生活を送れるように努めています。

※23:コミュニティヘルスワーカー...医師や看護師などの専門職の代わりに簡単な医療を提供するスタッフ。
2,000人以上の医療従事者へ母子を守る啓発活動を展開

130万回に及ぶ、遠隔地の子どもへ治療を提供

アフリカ諸国の都市から離れた遠隔地は、医療資源に乏しく、身近に病院もなければ医師もいないことが多く、現地の人たちは医療を受けたくても受けられない状況にあります。人里離れた農村部などでは、幼い子どもたちを含め、現地の人々はひとたび病気やケガをすると、命にかかわることもあるのです。

遠隔地に住んでいることが理由で失われる人命があってはならない――。タケダは現地の政府や、医療サービスへのアクセスを改善する活動を行っている団体と連携。リベリアにおいては、現地の人々からコミュニティヘルスワーカー(※24)を募集し、身近な人たちの命を救えるようにするための30種類の救急救命措置を習得する教育活動を支援しています。これまでに約4000人のコミュニティヘルスワーカーを育成するプログラムを支援してきました。 こうした活動によって、下痢、マラリアや肺炎を患う5歳未満の子どもたちに対して、コミュニティヘルスワーカーが提供した治療は、のべ130万回に達します。リベリアでの成果を受けて、この取り組みをサハラ以南のアフリカ諸国、マラウイやエチオピア、シエラレオネ、ウガンダにも拡大しています。脆弱な医療環境に置かれている人たちが、必要とする医療を受けられるように尽くしています。

※24:コミュニティヘルスワーカー...医師や看護師などの専門職の代わりに簡単な医療を提供するスタッフ。
130万回に及ぶ、遠隔地の子どもへ治療を提供

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