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「公正な基準」で多様なサプライヤーと手を組む | 武田薬品

タケダの研究者たち

「公正な基準」で多様なサプライヤーと手を組む

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2025年6月30日

エルデン・ライネスさんがライフサイエンス業界に足を踏み入れたのは、大学時代に経験した大手製薬企業の床掃除のアルバイトがきっかけでした。エルサルバドルで祖父母が営む小さな家族経営農場で育ったエルデンさんは、懸命に働く大切さを知っていました。

エルデン・ライネスさん、Boston Lab Services共同創設者・社長

エルデン・ライネスさん、Boston Lab Services共同創設者・社長

「農場の仕事に終わりはありません。そして、それが私の労働理念となりました」とエルデンさんは述べています。

移民として米国に渡ったエルデンさんは、製薬企業でのアルバイトを通じて、良い機会とメンターに巡り合いました。それがきっかけとなり、エルデンさんは大学の専攻を薬理学に変更しました。

大学卒業後はバイオテックのスタートアップ企業に就職しました。周囲から頼りにされる研究員に成長し、エルデンさんはマネージャーに昇進しました。その後、大小さまざまなバイオ製薬企業で働いた後、ラボの運営および施設管理を行う企業Boston Lab Services(BLS)を立ち上げました。

サプライヤーの事業成長をサポート


あるときタケダは、ラボの備品管理サプライヤーを探していました。研究員がいつ、どこで、どのような備品を必要とするかを見極め、それらを適時用意できるサプライヤーを求めていました。そこで、調達チームと研究開発チームは、ビジネス規模にとらわれず、同一の選定基準を用いてあらゆるサプライヤーを公正に評価していきました。

その結果、エルデンさんのBLSを最も高く評価しました。

タケダの価値観

エルデンさんは、「初めて経験する大規模取引の選定プロセスに不安でしたが、タケダはどのステップも明確に示してくれました。選定プロセスを通じて、タケダの公正・誠実という価値観や、パートナーシップへの姿勢を感じました」と述べています。

タケダのラボプランニングおよび物流部門の責任者であるヒラリー・フェラーは次のように述べています。「BLSは私たちの戦略に合致しており、必要な能力を持っていました。そして、患者さんを第一にするという私たちと同じ理念がBLSにはありました。また、私たちの事業ニーズに合わせ、誠実に対応してくれた点も評価しました」

タケダとの取引が決まったBLSは、サービス提供準備を当初予定の半分の期間で完了しました。BLSのメンバー全員が、実際のタスクをシミュレーションできるトレーニングラボで訓練を受け、タケダでのオペレーションの理解を深めていました。

タケダのラボプランニングおよび物流部門の責任者ヒラリー・フェラー(中央、緑色の服)と、タケダおよびBoston Lab Servicesのメンバー

タケダのラボプランニングおよび物流部門の責任者ヒラリー・フェラー(中央、緑色の服)と、タケダおよびBoston Lab Servicesのメンバー

ヒラリーは、こうした準備によりBLSはすぐに成果を出せたとし、次のように述べました。「BLSは、ラボのニーズや文化に合ったメンバーを的確に配置することで、高度に効率的なチームを作り上げました。研究者の管理業務を減らし、研究に専念できるようにしてくれました。これは、患者さんのための迅速なイノベーション創出につながります」。BLSは、システムも改善しました。研究者が備品を見つけやすくし、備品の補充が必要なタイミングを簡単に把握できるようにしました。

私たちはBLSの仕事の質、柔軟性、連携力、イノベーションを評価し、BLSとの契約を米国内すべてのラボに拡大しました。BLSとの提携は2024年半ばに開始したばかりですが、すでに数百万ドルのコスト削減につながっています。

「私たちは、選定条件を同一にすることで、規模や背景に関係なく、あらゆる企業が公正にパートナーシップに応募できるようにしています。私たちが求めているのは、ニーズを踏まえたソリューションを提供し、高い柔軟性を持ち、事業の課題解決に新たな視点をもたらしてくれるサプライヤーです」 ジョイス・エガース、タケダ サプライヤー多様性グローバルリード

ジョイス・エガース、タケダ サプライヤー多様性グローバルリード

ジョイス・エガース、タケダ サプライヤー多様性グローバルリード

タケダのサプライヤー多様性グローバルリードのジョイス・エガースは、今回の事例が私たちのサプライヤー選定のアプローチをよく表していると言います。「私たちのアプローチは、240年以上前から続く価値観に沿ったものです。私たちは、選定条件を同一にすることで、規模や背景に関係なく、あらゆる企業が公正にパートナーシップに応募できるようにしています。私たちが求めているのは、ニーズを踏まえたソリューションを提供し、高い柔軟性を持ち、事業の課題解決に新たな視点をもたらしてくれるサプライヤーです」

私たちは、公正な選定プロセスやメンターシップ、受け入れ体制構築などを通じて、サプライヤーが成果を創出しやすい環境を整えています。例えば、私たちはサプライヤー投資プログラムを実施し、BLSの事業成長と能力拡大をサポートしています。BLSのトップであるエルデンさんが、ビジネススクールでエグゼクティブトレーニングプログラムに参加できるよう支援しました。

地元企業と地域のメリット


小規模で多様なサプライヤーを支援することは、地域社会の経済発展と雇用創出につながります。米国中小企業庁1によると、1995年から2021年までに米国で創出された雇用の62%は中小企業によるものでした。

エルデンさんは、職業あっせん所や退役軍人サービス局、教会などに頻繁に通い、優れた人材を探し求めてきました。こうした人たちをトレーニングプログラムに招待し、事業ニーズに合致する場合は採用しています。

こうしたアプローチに、ヒラリーは共感しています。「サプライヤー選定プロセスの際、退役軍人の履歴書を持っていたのはBLSだけでした。私自身も退役軍人なので、軍人が物流スキルに長けていること、そしてそのスキルはこの業界でも役に立つことを知っています」と述べています。

エルデンさんは、選定プロセスでのやり取りを次のように振り返りました。「BLSの強みを尋ねられたとき、『私のチームです』と即答しました。それぞれに異なる背景を持ち、物事に前向きに取り組み、強い意思を携え、研究者が集中できるよう支援するのに強い決意で臨んでいます。自身の過去の経験から、良い人と良い機会を結び付けることが、私の使命と思っています。今のBLSがあるのは、それを大切にしてきたからです」

さらに、エルデンさんは将来を見据えてこう言います。「BLSは、先の世代にまで影響を与えようとしています。チームメンバーの子どもの多くが、学校でSTEMを専攻しています。彼らの目には輝かしい未来につながる道が見えているのです」


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