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米国食品医薬品局(FDA)による、免疫グロブリンA(IgA)含有量の少ない、溶解操作不要な唯一の液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」の承認について

米国食品医薬品局(FDA)による、免疫グロブリンA(IgA)含有量の少ない、溶解操作不要な唯一の液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」1の承認について


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2025年7月1日
Press Releases
  • 液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」(IgA含有量が 2 μg/mL以下の10%製剤)が、2歳以上の原発性免疫不全症(PID)患者さんに対する静注用又は皮下注用製剤として1、承認
  • 米国における「GAMMAGARD LIQUID ERC」の上市は2026年に予定
  • これまで低IgA含量製剤のニーズに応えていた静注用人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD S/D」(5%凍結 乾燥製剤)2の製造終了と予定時期を発表

当社は、2025年6月30日(米国時間)、2歳以上の原発性免疫不全症(以下「PID」)患者さんに対する補充療法として、免疫グロブリンA(IgA)含量量の少ない、溶解操作不要な唯一の液状人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD LIQUID ERC」(IgAの含有量が 2 μg/mL以下の10%製剤)が、 米国食品医薬品局(FDA)によって承認されましたので、お知らせします。「GAMMAGARD LIQUID ERC」は溶解操作が不要な液状製剤であり、静脈注射または皮下注射が可能であることから1、患者さんおよび医療従事者の投与負担の軽減に貢献することが期待されます。

当社のプラズマ デライブド セラピーズ ビジネス ユニットのシニア・ヴァイス・プレジデントであり、研究開発部門ヘッドであるKristina Allikmetsは、「GAMMAGARD LIQUID ERCは、既存の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤のなかで最もIgA含有量が少なく、静脈注射または皮下注射が可能な治療選択肢です。このたびの承認は、PID患者さんに対する個別化医療の取り組みを支援するタケダの取り組みを強化するものです」と述べています。「GAMMAGARD LIQUID ERC」は、タケダの他の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤と同じ最先端の工程で製造されます。これは、多様な患者さんのニーズに応える幅広い免疫グロブリン療法を提供しつつ、安定供給を担保するというタケダの長期戦略に沿うものです」。

本承認により、当社は引き続き、IgAの含有量が2 μg/mL以下の低IgA人免疫グロブリン製剤1の世界で唯一の製造業者であり続けます。「GAMMAGARD LIQUID ERC」は、米国においては2026年の上市を予定し、欧州連合においては、欧州医薬品庁(EMA)の承認が得られた場合には、2027年にDEQSIGA®の製品名で上市することを予定しています3。「GAMMAGARD LIQUID ERC」の上市見込み時期は、血漿分画製剤の製造および供給量を増加するために必要な期間を加味しています。

当社はまた、本承認に伴い、慎重な検討の結果、これまで低IgA含量製剤のニーズに応えていた静注用人免疫グロブリン製剤「GAMMAGARD S/D」(5%凍結乾燥製剤)2の製造終了を決定しました。当社が日本国外で製造している免疫グロブリン製剤ポートフォリオで唯一の凍結乾燥製剤である「GAMMAGARD S/D」は、「GAMMAGARD LIQUID ERC」と異なる古い工程で製造しており、当該工程では、「GAMMAGARD S/D」に関して、患者さんへの将来の供給ニーズを満たすことを担保できなくなっています。そのため、当社は、「GAMMAGARD S/D」の製造を2027年12月末までに終了することをFDAに通知するとともにその他の保健当局にも通知を開始しました。当社は、2027年12月以降も、在庫がなくなるか使用期限になるまでは「GAMMAGARD S/D」の供給を続ける予定です。

「タケダは、このニュースが、現在GAMMAGARD S/Dによる治療を受けている患者さんに与える影響を理解しています。患者さんが医療チームと緊密に連携し、代替治療の計画を立てるための時間を確保できるように、今、この決定をお伝えさせていただきます」とKristina Allikmetsは述べています。

*本ニュースリリースに記載されている適応症など一部情報は海外のもので、日本の情報ではありません。また、英文プレスリリースの内容を日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。なお、日本においては、「GAMMAGARD S/D」(5%凍結乾燥製剤)は、「ガンマガード®静注用5g」として、製造販売されており、「GAMMAGARD S/D」とは、適応症、投与経路、規格が異なります。

「GAMMAGARD LIQUID ERC」について

「GAMMAGARD LIQUID ERC」 は、IgA含有量が2 μg/mL以下に抑えられた10%濃度の溶解操作不要な液状人免疫グロブリン製剤です。静脈注射または皮下注射が可能です。米国では2歳以上のPID患者さんに対する補充療法として、適応を取得しています1
「GAMMAGARD LIQUID ERC」は、「GAMMAGARD LIQUID」と共通の工程で製造していますが、製造工程の一段階のパラメーターを変更することにより、IgA含有量を低減しています。製造工程におけるIgA除去能の向上(ERC:enhanced removal capacity)により、IgAの含有量が2 μg/mL以下の10%製剤1の製造が可能になりました。

原発性免疫不全症(PID)について

PIDは、免疫系の一部が欠損している、または適切に機能していないそれぞれ異なる550種類を超える希少性慢性疾患のグループを指します4。これらの疾患は、遺伝子変異によって生じ、通常は遺伝します5。頻回および/または持続性の感染症、自己免疫異常といった症状が現れることがあり、その症状は多岐に渡るため、複数の専門医を受診しても長期間診断が確定しないことがたびたびあります6。米国では、約1,200人に1人がPIDに罹患しています7

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件並びに国際貿易関係に関する状況を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、税金、関税その他の貿易関連規則を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組み、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

  1. [GAMMAGARD LIQUID ERC] [(Human Immune Globulin) 10% Solution with Less Than or Equal to 2 µg/mL IgA] U.S. Prescribing Information.
  2. GAMMAGARD S/D [Immune Globulin Intravenous (Human)] IgA less than 1 µg/mL in a 5% solution] U.S. Prescribing Information.
  3. European Medicines Agency. Deqsiga 100 mg/mL solution for infusion Summary of Product Characteristics. https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/deqsigaGo to https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/deqsiga
  4. Immune Deficiency Foundation. Living With Primary Immunodeficiency. Accessed June 2024. Available at: https://primaryimmune.org/living-primary-immunodeficiencyGo to https://primaryimmune.org/living-primary-immunodeficiency.
  5. Center for Disease Control and Prevention. About Primary Immunodeficiency (PI). Accessed June 2024. Available at: https://www.cdc.gov/primary-immunodeficiency/about/index.htmlGo to https://www.cdc.gov/primary-immunodeficiency/about/index.html.
  6. Immune Deficiency Foundation. Understanding Primary Immunodeficiency. Accessed June 2024. Available at: https://primaryimmune.org/understanding-primary-immunodeficiencyGo to https://primaryimmune.org/understanding-primary-immunodeficiency.
  7. Kobrynski L, Powell RW, Bowen S. J Clin Immunol. 2014;34(8):954-961.